「感情のマニュアル」
Pierre Dufraisse

著者について

ピエール・
デュフレス

エッセイスト。フィールド・リサーチャー。
感情と身体のあいだを探る書き手。

Pierre Dufraisse は、本から先に感情の哲学へ入ったわけではありません。 身体的な実践、限界との対面、そして制約のなかで生き物に何が起こるのかを観察する経験が、 先にありました。理論はその後から、必要に応じて引き寄せられたものです。

現象学的哲学の訓練を経たのち、彼は日本で七年間を過ごしました。そこでは、 感情をただ露出させるのではなく、間、配慮、恥、建前と本音のあいだで どのように扱うかが、日々のふるまいに深く刻まれています。 その経験は、感情を声高に語るのではなく、精密に観察する姿勢を鍛えました。

帰国後、カール・フリストンを中心とする予測的神経科学が、 長年の観察に理論的な骨格を与えました。生き物は予期し、誤差を受け取り、 修正しながら世界との関係を保つ。その修正の信号として感情を考える視点が、 『感情のマニュアル』の核になっています。

この本は、学問的な総説としてではなく、より正確に生きるための思考の形式として書かれています。 Pierre Dufraisse 著者にとって、理解とは支配ではなく、関係の精密化です。